日本語が随分とお上手で

セネガル人と日本人のハーフが色々なことを気ままに綴ります

クレヨンのはなし

みなさん、こんにちは

あみちゃんです

 

これが初めてのブログ記事になりますが、

二十数年生きてきた中のエピソードでどれが初めての記事にふさわしいか考えた時に

「お役所のはなし」か「クレヨンのはなし」どっちにするか迷いましたが

 

物心がつきはじめた頃の「クレヨンのはなし」にすることにしました。

(お役所のはなしはいつかまた)

 

小学校一年生の時に初めてクレヨンセットが配られて

箱を開けた時にワクワクした気持ち覚えてますか?

保育園や幼稚園の一つの箱にぐちゃぐちゃに集められたクレヨンではなく、

新品の角が揃ったピッカピカのクレヨンセット

 

「うわー、すげええ、絶対大事に使おう」と誰もが決意しますが、

数週間後にはクラスの意地悪な男の子に折られます。無念。

 

そんな新品のクレヨンを使った最初の課題は「自分の絵を描いてみよう!」

 

配られた真っ白な紙に何も考えず輪郭、目、鼻、耳、眉毛、口、髪の毛

小学校一年生の描いた顔なんてどれも一緒と思いきや

 

その時がやってきた

 

色塗り

 

周りのみんながためらいもなく「はだいろ」を手に取り

白い紙に描いた顔全体に塗りたくり始める

はみ出しや塗り忘れがあってもおかまいなし

 

そして気付く

 

よく分からないけど自分は「はだいろ」ではない

 

!!?

 

念のため「はだいろ」を手にとって手の甲に線をひいてみるけど、

明らかに違う。ナニカガチガウ。

(「はだ」なのに「はだいろ」が通用しないだと!?)

 

次に「ちゃいろ」を手にとって手の甲に線をひいてみると濃い。

そして「おうどいろ」が目に留まる。多分コレダ

 

そう、

自分はクラスの女子の誰よりも先にファンデーションを買う前の儀式をしていたのです

 

とはいえ「おうどいろ」は使いたくない

「おうどいろ」って漢字が分からない小学生にとって汚く聞こえる

(もちろん漢字が分かる今でも決して可愛いものではない笑)

 

しかし授業の終わりが刻々と近づいている。時間がない。

でも気付いちゃった以上「はだいろ」は使えない。

 

どうにでもなれ!と「おうどいろ」を掴み、

みんなからの遅れを取り戻すように塗りたくる

 

するとそれを見た隣の女の子が

「あみちゃん、はだいろ使っていいんだよ」と同情を含んだ一言

 

いきなり可哀想な奴扱いされたのもアレだけど、

 

何よりも驚いたのが

自分の肌の色が違うことをその子が知っていたこと

ご覧の通り自分はその時初めて自覚した

 

(まさかクラスの暗黙の触れちゃいけない話題になってたのか!?笑)

 

0歳の時に保育園に入り、それまで鼻水垂らしながら

相撲大会でなぜか準優勝したり、近所の公園で擦り傷作りながら

平和に生きてきた人生が覆された瞬間だった

 

そして一週間後、全学年のクレヨン自画像が下駄箱エリアに貼り出され

一人だけ色が違う自画像を見上げ、子供ながら、

これから大変なことになるなと思ったのでした

(そして実際に大変なことになる)

 

忘れられないクレヨンのはなし

12.01.2018 San Diego